2024年は,研究にもAIが使えるのかな,と

 2024年になりました。コロナ禍によって小学校に行くことがなくなり,学生さんと話すのも控えるようになり,気持ちがなくなったって感じで研究が止まり続けたこの頃です。

 22年に,画像の生成AIである「Midjourney」「Stable Diffudion」が話題になりました。23年は,「ChatGPT」や「Bard」といった文章の生成AIが話題になりました。23年6月には「学習における生成AI(ChatGPT、Bard、BingAI等)の使用について」という告知を同志社大学が出したり,7月には文部科学省が「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を出したり,11月には同志社大学が「同志社大学、NTT西日本、NTT EDX 教育・学習活動への生成AI活用実証事業スタート!」と言い出したりと,周りはAIの話だらけになりました。

白衣を着た科学者とAIと龍がとても楽しそうにお話しているイラスト by Microsoft Image Creator

 おもしろい!=興味深い!と感じることが2つ。ひとつは,「AIすごいぞ使おうぜ!」な人は,AIが持つ統計マシンであることを利用している人たち。いわゆる,画像や音声の解析です。AIは「統計のプログラム+大量のデータ」が基本形なので,この分野には最適です。人の規則を丁寧に模倣したり,人が気づかないことを明確にしたりするのが得意です。もうひとつは,「AIってすごいね!ニンゲンよりも信じられるね!」な人たち。なぜか機械=公平な判断&素早い判断&正しい判断をしてくれると受け止めているので,生成AIのハルシネーションに代表される危険性(=AIの性格?)に惑わされてしまっています。

 昨年末の学生さんのレポートに,生成AIによる誤りが書いてありました。臆することなく誤ったことを述べたため,確認すると生成AIの答えを書いたことがわかりました。その学生さん方には「最後の確認は,その責任は,人が負うんだよ?」と伝えて再提出を求めました。AIは道具なので,使うのはOKな立場です。でも,それを使うのは人なので,その責任は人が負うのが最後の道だと考えています。この道を踏み外すと,とっても悪い方向に進んでいくだろうな,と危惧しまくりです。

生成AIにおける著作権について,AIに尋ねてみたところ

 AIを推進している企業にとっても「責任」は大変重いことなので,23年10月にマイクロソフトが「マイクロソフトが AI で描く新しい時代のビジネス」の中で生成したコンテンツの著作権に対しては同社が責任を持つ,ようなサービスを謳っています。しかし,「「生成AIによる著作権侵害の責任はユーザーが負うべき」グーグル、マイクロソフト、OpenAIら主張」(原文読まず)の記事にあるように,23年8月には責任は利用者にあると訴えていたようです。権利が絡み,お金が絡み,でも生物って自分の情報も他の情報も取り込んで取捨選択して成長するものなのですから,何千年も経った人類のどこをどう切っても「純粋無二の情報」なんてないと思うのです。しかし,社会の中では人は規則を作らなくてはならないので,上手に線を引くことがこれからの重要な課題になってくるのでしょう。「やっちゃえ!」はマズい,ってところです。(20世紀じゃないんです,科学は何のためにあるのですか?)

 気力をなくしてしまいましたが,私は研究者です。なので,研究にもAIが使えるのかな?,と今も模索しています。論文に名前を出せるように,模索をちゃんとカタチにしてみましょう。

白衣を着た学者とAIと龍が楽しそうにしている幸せいっぱいなイラスト

本文で使っている2枚のイラストは,Microsoft BingのImage Creatorで生成した画像です。1枚目のプロンプトは,「白衣を着た科学者とAIと龍がとても楽しそうにお話しているイラスト」。2枚目は,「白衣を着た学者とAIと龍が楽しそうにしている幸せいっぱいなイラスト」。「白衣を着た学者」にしないと,龍を入れると古い中国風になってしまうんです。

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